Respectful Mind 髙井 收 (支部長・小樽商科大学)
今回、JACET北海道支部長選挙で選出されました小樽商科大学の髙井收でございます。偉大な諸先輩方の後を受けて、これから北海道支部長として働かせて頂くことに多大な誇りと、緊張感を感じております。まず、第48回JACET全国大会を成功裏に導いて頂いた西堀支部長、上野大会委員長をはじめ、北海道支部会員の皆様に感謝を申し上げると共に、これからの支部運営に関してご指導・ご協力を頂かなければならないと痛感しております。どうぞよろしくお願いいたします。 今回の全国大会における北海道支部の特別企画「変わる大学英語」を見てもわかるように、大学の英語教育は明らかに変化してきております。特に国際交流の波に乗り遅れまいとし、多くの大学が学生交換プログラムなどを活発化しております。我々、教育現場に携わる者として、これからの大学英語教育をどのようにとらえてゆけば良いのかと考えさせられます。 そのような中、今年の3月24日から27日までボストンで開催されました第44回TESOLコンベンションに参加する機会を得、オープニング・スピーチでハーバード大学のHoward Gardner先生の講演を聞くことができました。内容はFive Minds for the Futureというタイトルで、これからの英語教育において必要とされる能力を5つにまとめたものです。まず、一つにはDisciplined Mind。すなわち、英語の専門的な能力です。次にそれを如何に統合し活用してゆくかというSynthesizing Mind。そして、新しいものを作り上げてゆくCreating Mindを挙げ、Respectful MindとEthical Mindを加えた5つの能力です。 Ethical Mindとは「良き市民」とでも言いますか、ケネディー大統領の演説でも有名な「国家の為に何ができるか?」という考え方でしょう。 私がこの中で一番興味を持ったのはRespectful Mindです。Gardner先生によると、多様性を持った社会生活は国の内外にかかわらず、誰もが直面している事実であり、それに寛容性を示すだけではなく、真の理解を示さねばならないと言っています。これから、国際交流がますます盛んになろうとしている中、英語教育においても日本人の学生を海外研修に送り出すだけではなく、海外からの留学生を受け入れて教育をしてゆかねばならず、また、海外研修を終えて帰ってくる日本人学生の受け入れにも目を向けねばなりません。異質のものを如何に理解してゆくかという能力を育てることが今後の英語コミュニケーション能力の養成として注目されるべきであり、それには日本に従来からある「おもいやり」の精神こそ、このRespectful Mindではないでしょうか